ポップインサイトを退職します

約 4 年半在籍したポップインサイトを 5 月末で退職することにしました。ポップインサイトは全国に数万人規模のモニタを抱える調査会社で、クライアントからの依頼に応じてモニタに対するユーザビリティ調査を行い、既存のウェブサイト・アプリケーション等の課題を整理しながら改善施策を提案する、といった「UX リサーチ」を中心とするビジネスを展開しています。

ポップインサイトの創業は 2013 年、僕がまだ大学生の頃でした。創業社長の池田さんはサークルの 6 代上の先輩で、そのつながりで創業期にインターンとして関わりました。当時は池田さんと CTO の喜多さんしかフルコミットのメンバーはおらず、6 帖ほどの渋谷のマンションの一室で業務が行われていました。この頃から現在に至るまでの話は池田さんが 「ポップインサイト創業記」 にまとめています。

僕は大学卒業後、民間のシンクタンクにコンサルタントとして就職しましたが、3 年後にポップインサイトに戻りました。2017 年 2 月に技術担当の取締役を拝命し、Rails や AWS を活用した UX リサーチツールの開発に軸足を置きつつ、顧客開拓やリサーチ、セミナーの支援、コンサルティングに至るまで幅広く事業を担当しました。

ポップインサイトの大きな特徴として、コロナ禍以前からリモートワークを主体にしていたことが挙げられます。開発チームも例外ではなく、年に数回集まる程度で、基本的にはリモート中心の体制を組んでいました。もちろん対面コミュニケーションが取れないデメリットもありますが、他の企業には真似できない採用戦略が可能になるなど、メリットも大いにありました。取組は外部からも評価され、総務省の「テレワーク先駆者百選」にも選出されました。

2017 年 4 月に株式会社メンバーズのグループ企業になった後、2020 年 10 月に吸収合併され、法人としてのポップインサイトは消滅しました（名前は「ポップインサイトカンパニー」として残存しています）。役員を務める会社が東証一部上場企業に買収される、というプロセスは非常に刺激的で、このような経験をさせてくださったポップインサイト・メンバーズ双方の皆さんにはとても感謝しています。

退職動機は詳述を避けますが、事業規模が拡大するにつれ、期待役割が自分の得意とする「ゼロイチをとにかく量産し、成功の芽がありそうなものを一定水準まで育てる」ことから、「既存システムの安定稼働を大前提とし、さらに効率を高めていく」ことに移り変わっていくのを感じたのが転機でした。

タイミングが悪く、なかなかお世話になった皆さんに直接お会いしてお礼をお伝えできないのが残念でなりません。4 年半の間、本当にお世話になりました。ありがとうございました。残り 2 ヶ月在籍しますが、少しでも多くを残して離れることができればと思っています。